【主な内容】
・すべての情報は発信者の気分次第
【日程】2020.02.08(土)
常識を疑った瞬間人生が変わった
こんな常識的なことを言われた。
「売り上げを増やしたい」
そんな思いから、全国展開を計画し、取引先の営業所に挨拶に行った時のこと。
『知らない人からは買わないよ』
福岡営業所でも、仙台営業所でも言われた。
間違いない。
まったくその通り。
自分自身が客だとしても、見知りもしない信用できない人から買う気にはならない。
「ならば、知り合いになり、仲良くなれば良いだけじゃろ?」と、素直に常識を疑った。
経営コンサルタントの仕事を始める前の仕事の時の出来事です。
苦手なことは頑張らない
ついでに、疑ったのはそれまでのルート営業の方法。
当時の仕事は消耗工具のルート販売。
新規開拓は大変だけど、消耗品なのでルートさえできれば、あとは、極端に言えば寝ていてもチャリン、チャリンと売り上げが続く世界。
もちろん、同業者はいるので新規開拓は難しいが、どんな仕事でも新規開拓が簡単な仕事なんて世の中には存在しない。
ただ、それまでの新規開拓はハウスリストをもとに、ひたすら訪問を繰り返すという方法。
ピンポ~ン
ピンポ~ン
ところが、新規開拓を計画した業界は日中は基本的に留守がちな専門工事業。
中小企業どころか零細企業が多いので、決裁権者である社長も現場に行くし、事務員さんもいないような業界。
しかも、目標エリアは全国。
訪問し、面談して商談という従来の営業方法では物理的にも経費的にも無理。
つまり、今までの常識が通じない世界。
あなたならどうする?
作戦名は「源氏物語」
会えなくても仲良くなる方法ってなんかないじゃろうか?
テレアポという営業方法もあるけど、知らない人に電話をするのはイヤだ。
お客さんを見つけ、知り合いを紹介してもらう方法もあるけど、そもそも、最初の客がいない。
業界紙に広告を打とうにも予算が取れない。
低予算のネット広告を使おうにも、お客さんはほとんどネットで検索しない。
商材がリピート商材なので、絶対に既存の取引先があるに違いない。
先行ライバル業者に勝てるだけの独自な商材でもない、などなど
できない理由と売り上げが比例するならどんなに嬉しいことか(笑
そんな時、思い出したのが高校時代の古文の時間に習った『源氏物語』
相手に好きになってもらうために、恋文を交わせば良いんだ。
もちろん、お仕事の相手は専門工事業のおじさん経営者なので恋文は送らないけど、恋文に相当するものを送れば、好きにはならないまでも、興味は持ってもらえるはず。
平均値の壁
新規開拓で恋文に相当するものは何か?
安売りを仕掛けるほどの経営体力はないし、そもそも、安売りは販売力のない中小企業には向かない。
とはいうものの、見知りもしない赤の他人から高く買うほど見込み客はお人よしじゃない。
恋文に相当するものがダイレクトメールだとは思いついたものの、レスポンス率(返信率)という平均値がやる気をそいでいく。
ちなみに、ものの本によると、ダイレクトメールのレスポンス率は0.1パーセントとも、0.01パーセントとも言われている。
つまり、1件の新規客を開拓するためには、1,000件から10,000件の見込み客が必要?
特殊な専門工事なので、おもいっきり見込み客の範囲を広げても2,000件もないんですけど(涙
とはいっても、ほかの方法を思いつかないので、ダイレクトメールを送ってみた。
レスポンス率は25%という、超異常値。
平均値はどこ行った?(笑
「情報」にだまされるな
最初の事例
「知らない人からは買わない」
問題はこの発言の裏にある発言者の意図。
本当に親切心で言っているのか、マーケットの奪い合いを避けようとしているのか。
言葉からは真意をうかがい知ることはできません。
次の事例
たしかに、一般的にはレスポンス率は0.1パーセントとか、0.01パーセントなのかもしれません。
問題は分母、つまり、見込み客の抽出方法じゃないんでしょうか。
実際、戦略的に見込み客を抽出すれば25パーセントという超異常値も出るし、その後、同じダイレクトメールで1パーセントから4パーセントという、異常なレスポンス率を継続することも可能なのです。
本に書いているから
ニュースやテレビで報道されていたから
雑誌で取材されていたから などなど
事実なんだろうけど、真実じゃない情報に世の中はあふれています。
情報にだまされない経営
経営に必要なのは、仮説と検証に裏付けられた科学性です。
他人に起こった事実があなたに起こる真実と同じとは限りません。
大切なのは、実際に自分で経験してみること。
もちろん、最初からうまくいくとは限りません。
実際にやってみないと、なんのフィードバックも得られません。
失敗ではなく、フィードバック。
フィードバックと元に、いかに目指すゴールに近づくかが経営です。
2月8日の第141回売上創造塾では『情報にだまされない経営』と題して、情報をどのように分析し、自社の経営に活用するか、自社の独自性の磨き方をお伝えします。
こんな方にお薦めします
- 見込み客に自社の魅力を伝えきれていない方
- 同業者との違いを見込み客に伝えたい方
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